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こんにちわ♪

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帝国医療

『帝国医療』と言う言葉をご存知でしょうか?



帝国医療とは簡単に言えば、現在世界に最も普及されている医療体制のこと。



日本で言えば、保険の使える医療(※:接骨・整体は除く)の事なのだ。



ここは大英帝国、その名の通り『帝国医療』発信の場である。





かつて、英国をはじめヨーロッパの国々は、新しい土地を求めて、アフリカを始め、南米などの新大陸を次々と植民地化したんだ。




今回のお話は、自分もすでに身に付けてしまっている『帝国医療』についてしてみようと思う。




アフリカ。そこはかつて『暗黒大陸』と呼ばれ、ヨーロッパの侵略者を恐怖に陥れた土地でもある。・・・と言われている。


1970年代以降、発展途上国、特にアフリカにおける外圧としての近代化に伴う諸矛盾が誰の目にも明らかになり、それに対する批判的検証がなされ、さらに環境問題への関心が高まる中で注目を集めるようになった概念がある。






それを『開発原病』と言う。



大雑把に言えば、農業開発が自然環境を破壊師、その副産物として病気の異常発生を見る減少で、近代西洋を起源とする『経済開発→生活水準の向上→健康増進』と言う世間一般からはごく当たり前で、そして世間一般からはもちろんばら色に見えるこの公式に対して疑問視する見方なのだ。





近代の開発現病減少は、外圧としての近代化=植民地化に直面した非西洋世界に集中して現れた。





その最も悲劇の舞台になったのが、実はアフリカなんだ。




もともとアフリカは土壌が温暖世界に比べて貧困だった。



開発に対する自然からのリアクションも、その文だけ他の大陸よりも強烈にならざる得なかった。その土着の農業は、先進国の側からはしばしば『行進』または『原始』的であるとバカにされるけれども。



アフリカの伝統的農法は『生産性を最大限に高める事』よりも『土壌の物理的属性を尊重する』事に力点を置くものであって、長期的展望から言えば、それは優れて合理的な選択だったんだ。




そして、アフリカは病原菌の『宝庫』でもある。




開発原病という環境破壊に対する自然からの『しっぺ返し』も他の地域よりはるかに深刻にならざる得ないのだ。




それでもアフリカ人は環境と『ダイナミック』に折り合いをつけて、いたずらに『停滞』していたわけでも、自然との『共生』の状態にまどろんでいたわけでも決してなかったんだ。

メディスンマンアフリカンメディスン

ちょっと見づらいかも知れないけれど、アフリカの伝統的な医療、アフリカン・メディスン。西洋医学の見地からだと『いんちき・ペテン師』と言う風に見られてしまう場合が多い。




植民地以前のアフリカの人口と病気の歴史の全貌は今日もなお明らかにされていないけれど、全体としては自然とのダイナミックなバランスがとられる程度に人口は抑制され、伝染病の流行も限定されていたと見られる。



ところが、欧州諸国による植民地化が本格化すると、アフリカの病気の環境は確実に悪化していったんだ。




このように、植民地化以前のアフリカ社会は決して『ユートピア』とはいえないかもしれないけれど、決して『暗黒』大陸ではなかったんだ。



むしろ植民地支配の進行と友に『暗く』なっていったと見なければいけない。




しかし、西洋側からすれば植民地化以前のアフリカこそ暗黒大陸でなければいけなかった。




西洋の進出によって始めてそこにも文明の公明が差し込んだとされるからだ。



病気に苦しむ『原住民』とそれを助ける『救世主』。下のこの写真は、かつての大英帝国調査隊が伝染病の研究をする『雄姿』である。


帝国医療の実態

地面に寝そべる病人、検査を受けようとする人、『野蛮さ』をことさら強調する女性、そして顕微鏡を除く白人医師、帝国主義の免罪符としていまだに通用しそうな図柄である。




しかも非西洋側もついつい受容してしまう見方なのである。





ここに、『腹黒紳士』たる大英帝国のしたたかさがあることをどれだけの人が気づいているのだろうか?




アフリカから少し話はそれて、フィリピンを例に挙げてみると。



フィリピン・アメリカ戦争の時代。



アメリカの植民地支配の恩恵の一つは衛生制度であって、そのおかげで無数のフィリピン人の生命が救われたとする固定観念がある。


たぶん反米の人たちでさえ、そしてさらには侵略された側のフィリピン人側でさえ。



『アメリカは直ちにこれ他の蔓延を食い止め、住民の健康を増進する仕事に着手した』なんて風に考えてしまう。



でもこれは実は、『領土主権』を巡る争いから『人々の身体、信仰、社会的習慣』を巡るものへと移行したに過ぎないのだ。




帝国医療の体系においては。


ここの病気は世界中どこでも同じであるとの見地から、『国や文化の障壁』が病気撲滅の事業を妨害する事はあってはならないとされている。


そのような考え方の基礎は。


実は帝国主義の基礎であって。


『人類はみな生物学的には同一であり、科学はどこでも応用できる』とされ、西洋医学が『特効薬』として世界的規模で一律的に投与されているのが現状なのである。








『俺らが一番さっ!』と言う見方の大英帝国の姿がここにある。





そして、それを元植民地化した国々にもそう思わせる洗脳に成功した大英帝国の姿がここにある。



フリーページの英国の項を参照にしてもらえばわかるかもしれないけれども。



植民地侵略の時代はとっくの昔に終わったんだけれども。




それ自体も政治的な意味合いからの侵略者側からの視点であって。




侵略された国々にとっては、いまだに侵略は現在進行形なのだ。





そんな俺も帝国医療を身に付けた獣医であるのだ。



世界は矛盾だらけである。



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